菊地 昇
THE CLASH 1982 JAPAN
マーブルトロン
29×20B×110p
\3.150(税込)\3.000(税抜)

THE CLASH 1982 JAPAN by SHO KIKUCHI
写真家、菊地 昇氏によるザ・クラッシュ唯一の来日となった
『ザ・クラッシュ・ラット・パトロール・'82・ジャパニーズ・トゥアー』
を追ったドキュメント写真集。
初来日にして最後の来日となったクラッシュのライヴは'82年1月24日の渋谷公会堂を皮切りに、新宿厚生年金会館、中野サンプラザホールでの7公演プラス大阪での2公演が行われた。今では考えられない事だが、昼・夜2回公演をこなしたりもしている。2月1日、中野サンプラザでのライヴは当時NHKにてテレビ放送された。ジョーストラマーが『団結』、トッパーヒードンが『神風』と書かれたハチマキをまいていたのが、とても印象深く記憶されている。是非何らかの形で再放送してもらいたいと切に願う。この日のセット・リストの写真も掲載されているが、アンコール3回を含む約30曲前後!も毎回プレイしていたようだ。
この写真集は東京でのクラッシュの姿をとらえたもので、ステージ上はモチロン、リラックスした楽屋でのショット、ホテルのロビーでのファンとの交流、原宿歩行者天国のロックンローラーを見物するジョーの姿などとても興味深い。
老舗音楽誌『ミュージック・マガジン』82年3月号の巻頭記事として組まれた菊地氏撮影の写真と今野雄二氏によるツアー・リポートが本書の元になっているのだが、その原稿も完全な形で掲載されている。(次に発表されるアルバム『COMBAT ROCK』が当初『RAT PATROL』というタイトルで進められているという記述もある)本書を編集企画した山名昇氏による『THE DIG』19号(シンコーミュージック)での全アルバムレヴューも掲載されている。そして、とても面白い。一枚一枚の写真が、いつ、どこで撮影されたものかを記すインデックスも嬉しい。全ての文が英訳されている点も海外のクラッシュ・ファンに評価されるだろう。何よりクラッシュがストーンズやピストルズと違って最も見たい姿での来日を果たしていた事が確認出来て感慨もひとしおである。
鎌田 洋 ZOOT M.Y.C